今日、1月7日は「人日の節句」という五節句の行事で、7種類の野菜を入れた「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という汁物を食べて無病息災を願うようになったといわれ、それで「七草粥」を食べるようになったようです。もっともそんなことは考えもせず、毎年の習慣として我が家も七草粥を食べました。
一説には、健康を願って春(新春)に若菜(春の七草のような薬草)を摘む行事を詠んだ光孝天皇(830~887年)の和歌、『君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ』が、春の若菜摘みの慣わしが七草粥になったともいわれています。
七草粥に入れる素材には、それぞれその名にちなんだ願いが込められており、
芹(せり)=競り勝つ
薺(なずな)=撫でて汚れをとり除く
御形(ごぎょう)=仏さまの体
繁縷(はこべら)=繁栄が広がる
仏の座(ほとけのざ)=仏さまが心やすらかに座っている様子
菘・鈴菜(すずな)=神を呼ぶ鈴
蘿蔔(すずしろ)=汚れのない清白
なんてことらしいのですが、近頃は「春の七草セット」が全国のスーパーに並ぶようになり、冬の野原で七草を摘んで準備をする必要もありませんから、手軽に願いを込めることが出来るのです。ただ、「本当に七草あるのか?」と疑念が毎回あって、ついついキッチンに並べて確かめてしまいます。
考えたら、こんな寒い時期に七草を見つけるのは大変だし、ほとんどが温室栽培なんだろうけど、北海道や東北のように寒さが厳しい場所では七草を集めるのは難しいと思ってしまいます。実際、雪深い地域には七草粥の習慣がないところもあるようで、山形県の一部では七草粥ではなく、「きのこ汁」や「納豆汁」を食べるのだそうです。また、青森県・岩手県・秋田県では「けの汁」といって、ダイコン、ニンジン、油揚げ、コンニャクなど、根菜や大豆製品などを昆布出汁で煮込んだ汁もあるようです。一応、七種類にまとめる点は共通してますね。
今朝は七草粥を食べ、3時間後には既にお腹が空いてしまった店主です。
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